近藤産業(株)(大阪市中央区伏見町4−1−1、設立平成16年9月、資本金8億円、井澤康平社長、従業員41名)は、5月30日大阪地裁へ破産手続開始を申し立てた。申立代理人は坂東司朗弁護士(東京都中央区築地1−7−13、坂東総合法律事務所、電話03−3542−7890)及び綾克己弁護士(東京都千代田区麹町3−5−1、ときわ法律事務所、電話03−3222−7850)。負債総額は322億5800万円。
同社は、関西を中心に分譲マンション「メロディーハイムシリーズ」などを展開する不動産業者。平成17年2月、前身企業である近藤産業(株)(守口市、創業昭和42年1月、設立昭和55年4月、ケイエスエルキュー(株)に商号変更し平成17年3月解散)から会社分割を受け、同18年1月には東証1部上場企業である(株)ゼファー(東京都中央区)の傘下に入った。同年3月期は年商189億5248万円を計上したのに続き、翌19年3月期には年商277億円に拡大していた。
しかし、サブプライムローン問題に端を発した不動産市況の急激な悪化や、改正建築基準法の影響による住宅着工の遅れなどから業況は悪化。近時は大幅な値下げ販売も行っていたものの、多数の売れ残りが生じるなど販売計画が大幅に狂い資金繰りが逼迫。今後の運転資金調達が困難となったことから今回の措置となった。
なお、親会社(株)ゼファーはこれに伴い、貸付金78億8500万円、債務保証39億9600万円、合計118億8100万円の回収不能のおそれが生じたと公表している。
セラヴィリゾート(株)(名古屋市中区上前津2−29−22、設立平成6年2月1日、資本金8億4087万5000円、若杉譲二社長、従業員390名)と(株)セラヴィリゾート泉郷(東京都豊島区南大塚2−45−8、設立平成15年4月1日、資本金16億8000万円、同社長、従業員310名)は、5月6日東京地裁に会社更生手続開始を申し立てた。申立代理人は野間自子弁護士(東京都千代田区内幸町2−1−4、三宅坂総合法律事務所、電話03−3500−2912)、更生管財人は三村藤明弁護士(東京都港区虎ノ門4−3−13、坂井・三村・相澤法律事務所、電話03−6721−3111)が選任された。負債総額はセラヴィリゾート(株)が220億円、(株)セラヴィリゾート泉郷が145億円。なお、両社ともにスポンサー企業は更生手続のなかで模索する。
さらに5月7日には名古屋港イタリア村(株)(名古屋市港区港町1−15、設立平成16年5月12日、資本金6000万円、若杉譲二社長、従業員102名)が東京地裁に破産手続開始を申し立てた。申立代理人は野間自子弁護士(東京都千代田区内幸町2−4、三宅坂総合法律事務所、電話03−3500−2912)、破産管財人は川瀬庸爾弁護士(東京都新宿区新宿1−8−5、三宅・今井・池田法律事務所、電話03−3356−5251)が選任された。負債総額は168億円6600万円。
セラヴィリゾート(株)は、昭和60年にレストランバーを開店したのに始まり、法人化以降はホテル業にも進出した。洋風系居酒屋は、地元名古屋のほか関東・関西にも出店、「ハローエッグ」や「北の家族」などを吸収して、ピーク時には150店舗内外に達し、平成19年2月期の売上高は過去最高の196億円を計上していた。
平成17年4月には、民間資本で運営するPFI事業として名古屋港管理組合の所有地を15年間の賃貸契約を結び、52億円を投じてショッピングモール「名古屋港イタリア村」をオープン。当初の入場者数は順調に推移していたが、その後は、入場者数の減少が続き運営会社の名古屋港イタリア村(株)への営業支援金が負担となっていた。さらに、同16年6月グループ化した会員制リゾートクラブ運営の(株)セラヴィリゾート泉郷も財務内容の改善が進んでいなかった。
このような状況にあって、セラヴィリゾート(株)は飲食部門の大半を営業譲渡することで建て直しを図るほか、名古屋港イタリア村(株)はスポンサー企業を選定していたが、平成20年2月建物内の施設に仮差し押さえを受けるなどして対外信用が悪化、セラヴィグループとしても名古屋港イタリア村(株)への過大な投資負担をこれ以上抱えるのは困難となり、今回の法的手続きに至った。
(株)アリサカ(宮崎市大字本郷北方2485−20、設立昭和51年10月9日、資本金9億2265万円、有坂順三社長、従業員163名)は、5月28日宮崎地裁に会社更生手続開始を申し立てた。申立代理人は衞藤彰弁護士(宮崎市旭1−1−23、衞藤法律特許事務所、電話0985−22−2758)。負債総額は213億3200万円。
同社はゲームセンターを主軸にして、ボウリング場、スーパー銭湯、バッティングセンターなど各施設の運営を行う総合アミューズメント会社。平成16年12月ジャスダックに上場、「ジョイプラザ」「アーバンスクエア」の店舗名で九州を中心に関西・関東方面に積極的に店舗展開(42店舗)し、同19年3月期売上高は過去最高となる99億1400万円を計上していた。
しかし、店舗増設による経費負担が増えたことにより同期の当期利益は1億900万円に減少、増収による財務改善を目的にさらに出店を繰り返したことから、有利子負債やリース残高が膨らみ、費用に見合う収益確保が難しくなっていた。
このため、平成20年3月期は4店舗を出店する傍ら、不採算の4店舗を閉店するなどスクラップアンドビルドを進めていたが、同期決算の会計監査において、監査法人の指摘で過年度における棚卸資産の過大計上や店舗改装費の架空計上など不適切な会計処理が判明。適正な会計処理がなされた場合、債務超過に陥る可能性が大きくなった。こうした中、過大投資による経費増加を早期に是正することは難しく、金融機関からの資金調達も厳しくなると判断し自力再建を断念した。
スカイエステート(株)(品川区小山2−17−4、設立昭和44年2月、資本金1億円、綾克己代表清算人)は、東京地裁に特別清算手続開始を申し立て、4月28日開始決定を受けた。すでに3月17日開催の株主総会で解散を決議していた。負債総額は198億8000万円。
同社は昭和44年2月、プラザホームズ(株)として設立された不動産会社。当初は外国人向けアパートの賃貸仲介を主業としていたが、同60年頃よりマンション・戸建住宅の売買も手掛けるようになり、国内の営業所拡充や海外法人の設立など積極的な事業を展開し、ピーク時の平成元年12月期には年商188億円を計上していた。
しかし、バブル経済崩壊による不動産市況の冷え込みにより旧:住専などからの借入負担(ピークの平成2年12月期で約900億円)が経営の重荷となったため、赤字経営が続き債務超過となっていた。経営改善のため不動産売却など有利子負債の圧縮に務めるほか、中国でのマンション事業に注力したものの、事業環境は好転せず平成18年12月期年商も6億円にとどまっていた。
平成19年4月、営業権を新:プラザホームズ(株)(港区)に譲渡、同社は現商号に変更し物件売却や関連会社株式などの不良資産整理を進め、その整理の目処が立ったことから今回の申立となった。
また、関連会社の(株)スカイレンタル(同所、設立昭和44年11月、資本金3000万円、同清算人、負債総額約141億円)、グレープ(株)(同所、設立昭和48年6月、資本金3000万円、同清算人、負債総額約86億8000万円)、メンテ(株)(同所、設立昭和18年4月、資本金2000万円、同清算人、負債総額約4億4000万円)の3社も同日特別清算手続開始決定を受けている。
(株)ミキシング(大阪市淀川区西中島6−1−1新大阪プライムタワー13階、設立平成2年8月24日、資本金5300万円、佐藤美樹社長、従業員140名)は、5月16日大阪地裁に民事再生手続開始を申し立て、同日保全命令を受けた。申立代理人は中森亘弁護士(大阪市中央区北浜1−8−16大阪証券取引所ビル、北浜法律事務所・外国法共同事業、電話06−6202−9527)ほか6名。監督委員は上田裕康弁護士(大阪市北区堂島1−1−5梅田新道ビルディング8階、弁護士法人大江橋法律事務所、電話06−6341−7405)。負債総額は186億500万円。
同社は、広大な土地へのショッピングセンター誘致、商業施設を建築させてテナント入居斡旋などを行う地域開発・都市開発業者。過去、大手ディベロッパーや商社と提携し商業施設開発による手数料収入に加え、飲食事業、不動産賃貸業にも進出した。
その後コンサルタント事業に専念し、複合商業施設を柱とする都市開発メーカーとして企画開発からリーシング、運営管理まで手がけ平成15年6月期の年商は8億8093万円を計上していた。同15年11月には自社開発した大型複合施設のオープンを契機に、メディアへの露出により知名度は高まり一気に規模を拡大。子会社合併による所有不動産売買収入もあり同18年3月期(変則決算)の年商は62億3838万円にまで伸長。同19年3月期も減収になったものの年商60億8277万円を計上していた。
しかし、米国でのサブプライムローン問題により不動産市況が一変したなか、3月にグランドオープンし第三者への売却を計画していた「ガーデンモール木津川」(京都府)の契約が難航したことから資金繰りが悪化、先行き見通しが立たないことから今回の措置となった。
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