(株)紫塚スポーツシティ(さくら市早乙女2068、登記上:東京都豊島区東池袋1−20−2、設立昭和56年9月4日、資本金7000万円、上原邦久社長、従業員1名)は、2月4日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。負債総額は約210億円。申立代理人は清水直弁護士ほか7名(東京都中央区八重洲2−2−12、清水直法律事務所、電話03−5202−0585)。監督委員は三村藤明弁護士(東京都港区虎ノ門4−3−13神谷町セントラルプレイス4階、坂井・三村・相澤法律事務所、電話03−6721−3111)。
同社は昭和56年に国土興業(株)(昭和55年倒産)から会員制ゴルフ場「紫塚ゴルフ倶楽部」の営業を継承して設立した。丘陵コースで滝や池が数多く配された戦略性で知られ、氏家コース、葛城コース、早乙女コースの27ホールを備え、ピーク時の平成2年7月期には36億3918万円の売上高を計上していた。
しかし、バブル崩壊後はゴルフ人口の減少による来場者数の減少、同業者との競合による単価下落などで業績は低迷。同9年7月期の売上高は17億866万円とピーク時の半分以下になっていた。同年12月以降は紫塚ゴルフ倶楽部の運営業務を外部に委託し、同社は施設管理会社に業態を転換。同19年7月期は8571万円の売上高を計上していた。この状況下で既に償還期限が到来している会員預託金について、一部会員から償還請求を受けたが、業績低迷から財務内容も悪化し、請求の全てに対応することが不可能となっていた。また、銀行借入についても、同16年6月以降、元利金の支払停止の状態にあり、今後の弁済についても目処が立たないため、法的手続による経営再建を選択した。
(株)アジャクス(横浜市中区相生町6−113、設立平成12年10月30日、資本金4億5000万円、甲州浩一社長、従業員75名)と関連の(株)アジャクスライフサポート(同所、設立平成17年5月27日、資本金1000万円、同社長)は、破産手続開始を申し立てた。負債総額は(株)アジャクスが約128億4000万円、(株)アジャクスライフサポートが約2億4000万円。
(株)アジャクスは設立当初はマンション販売代理業務を手掛けてきたが、平成15年より自社ブランドマンション「フェリズ」シリーズや「ルシオン」シリーズの販売を開始。同16年3月期以降は売上規模を急激に拡大し、当初は横浜市内や相模原市、町田市への展開が主体であったが、茨城県や千葉県、山梨県など県外へも進出して同19年3月期には年商97億9969万円と過去最高の実績をあげていた。
しかし、平成19年10月頃より販売価格高騰や大手との競争激化により売上は急激に冷え込み、特に茨城県や千葉県などの郊外物件の販売が苦戦、同年11月末頃より資金計画に狂いが生じてきた。このため、施工会社へのジャンプ要請や分割支払要請を行っていたほか、物件売却により資金繰りを凌いできたが、業況は好転せず事業継続を断念した。
(株)前田(池田市神田1−32−27、登記上:池田市石橋2−4−16、設立昭和47年8月23日、資本金1200万円、前田貞洋社長、従業員240名)は、2月13日大阪地裁へ民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は辻川正人弁護士(大阪市中央区北浜2−5−23小寺プラザ12階、弁護士法人関西法律特許事務所、電話06−6231−3210)。監督委員は辰野久夫(大阪府大阪市中央区今橋4−3−18 三井住友海上大阪ビル9階、辰野・尾崎・藤井法律事務所、電話06−6209−8880)。負債総額は約109億7200万円。
同社は大正10年6月創業の酒類販売会社。店頭販売のほか居酒屋・飲食店などへの業務用酒類の卸売も手掛け、地元池田市・豊中市をはじめとした北摂地区を中心に営業を展開していた。酒販免許取得用件の緩和により同業他社が酒類販売に進出する中、ディスカウントストア「酒の楽市」の屋号で小売をメインに、近年は業務用スーパーの経営にも進出。地元周辺部に集中出店するドミナント戦略で平成18年に14店舗、同19年に16店舗を出店するなど積極的な出店攻勢で計69店舗まで拡大していた。同18年3月期には年商244億2268万円を計上したのに続き、同19年3月期は294億9558万円にまで業績を伸張させていた。
しかし、出店資金の大半を借入金で賄っていたため負債が膨張。また、出店した店舗が計画通りの収益を確保できず資金繰りを圧迫。さらに、最近進めていた新潟や宮崎の酒造会社への投資も負担となっていた。そうしたなか、資金調達も限界に達し今回の措置となった。
長田組土木(株)(甲府市丸の内2−9−20、設立昭和24年2月18日、資本金1億2000万円、長田達機社長、従業員165名)は、2月22日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は小田修司弁護士ほか5名(東京都港区赤坂4−7−15陽栄光和ビル5階、光和総合法律事務所、電話03−5562−2511)。監督委員には加々美博久弁護士(東京都港区虎ノ門3−8−21虎ノ門33森ビル5階、西内・加々美法律事務所、電話03−3437−2211)が選任された。負債総額は約106億7800万円。
同社は明治38年創業。JR中央線の鉄道施設工事に関わるなど県内土木工事請負の発祥として知られ、100有余年の業歴を持つ当地古参の建設業者。山梨県内ではトップクラスの総合建設業者として最盛時の平成10年12月期売上高は約251億2200万円を計上していた。しかし、景気低迷や社会情勢に伴う大型公共工事の減少等から近年の業績は振るわず、同19年5月期売上高は約151億7600万円まで減収。同年夏以降は、甲府市内に建設した遊興施設に絡み一部代金の未収が発覚するなど信用不安が広がっていた。
(株)トヨシステムプラント(下関市秋根西町2-2-13、設立平成6年7月26日、資本金5,000万円、岡本孝之社長、従業員数22名)は、2月29日に破産手続開始を申し立てた。負債総額は100億6800万円。
同社は平成6年7月にリサイクル事業を目的に設立。当初は一般廃棄物のリサイクル機械製造を行っていたが、その後硝子容器のリサイクルに着目し、車に搭載できる小型の移動式ガラス破砕機を自社で開発し注目を集めた。同9年には容器リサイクル法の施行も追い風となって自治体を中心に受注も順調に推移し、同12年12月期決算では年商10億円台を計上した。さらに同14年には破砕機から生じる着色ガラスの再利用に着目して軽量発泡骨材を商品化した。これは底石の代用にもなるため、ホームセンターへも販路を築き同15年12月期以降増収増益を続けて、同18年12月期には年商30億円を突破するに至った。
こうした一方で、開発型企業のため研究開発や設備への投資が先行して借入金が膨らんだ。さらに一部取引先との不明朗取引の風評も聞かれた。同19年12月には前代表が亡くなり、子息が社長に就任したものの、役員の辞任もあって会社運営に行き詰まり、同年末には従業員を全員解雇していた。
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