豊秀興産(株)(守口市京阪本通2−3−6、設立昭和27年12月、資本金544億円、財前正智代表)は、9月30日株主総会で解散を決議し、大阪地裁より特別清算手続開始決定を受けた。負債は約1500億円。
同社は、平成17年4月に松下興産(株)から商号変更した。旧:松下興産は、松下電器産業の創業者、松下幸之助氏によって設立され、松下電器産業グループの不動産部門として「松下IMPビル」を始め、全国に展開する「MIDビル」やリゾートマンションなどの不動産業を主体に、「ギャラリーツイン21」「MIDシアター」「IMPホール」などの商業施設の運営、豪州のホテルなどの海外事業、「和歌山マリーナシティ」などの大型プロジェクトを展開していた。
しかし、ゴルフ場など大型リゾート開発により負債が膨張し、バブル崩壊により経営が悪化、平成13年より不採算事業の整理を進め、14年には松下電器産業、三井住友銀行などから1500億円の金融支援を受けていた。その後も事業の整理を進めていたものの、18年3月期から導入される減損会計で債務超過に陥る公算が大きくなったため、好調な不動産事業を新設会社に移す一方、不振の観光事業は残し資産売却を進める再建計画を公表していた。
(株)津ゴルフ倶楽部(三重県安芸郡美里村三郷588、登記上:長野県下伊那郡根羽村6178−685、設立昭和48年1月、資本金1000万円、加藤征宏社長、従業員1名)は、平成15年11月ゴルフ場会員から名古屋地裁に破産を申し立てられ今年9月14日破産宣告を受けた。負債は約400億円。
同社は平成3年に「津ゴルフ倶楽部」(同所)をオープン、自然環境に恵まれた比較的高級なゴルフ場で、名古屋方面を中心に多数の会員を集めた。しかし、関連会社の不動産事業失敗で資金が流出したうえ景気低迷により収入が減少、平成13年3月期には年商3億7000万円にとどまり、低収益から平成13年に迎えた預託金の償還が不能に陥った。
そのため、会員に対し償還期限の10年延長を求めたが、同意を得られないまま同14年ゴルフ場の所有権を(株)ケー・エス・シー(当時名古屋市)へ贈与、翌15年ゴルフ場は「樹王カントリークラブ」にリニューアルされ、経営はケー・エス・シーの関連会社である(株)樹王カントリーとなった。さらに、津ゴルフ倶楽部の会員には登録料として追加料金を課し、(株)津ゴルフ倶楽部とは無関係であるとの見解を示した。
これを受けて会員側は「津ゴルフ倶楽部会員の権利を守る会」を結成し、「ゴルフ場の贈与は預託金償還を免れるための仮装譲渡」としてケー・エス・シーを提訴するとともに、15年11月会員連名で津ゴルフ倶楽部の破産を名古屋地裁に申し立てていた。
裁判は結審に至っていないが、今年1月名古屋地裁で「守る会」側の全面勝訴の判決が下りており、ケー・エス・シー側の上告が棄却された時点でゴルフ場は破産管財人の手に渡ることになる。なお、会員側は「有限責任中間法人美里」を設立、最終的には破産管財人からゴルフ場を買い受けての自主運営を目指している。
東証1部上場の中堅ゼネコン、勝村建設(株)(台東区根岸1−2−13、設立昭和22年2月、資本金3億379万5688円、大原雅樹社長、従業員398名)は9月29日、東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。負債は約316億円(内訳は金融債務約92億円、工事代金約195億円、退職金債務約16億円、その他約13億円)。
同社は大正7年2月に勝村組として創業、昭和22年2月株式会社に法人化。昭和36年に東証2部上場、同49年には1部へ指定替えした。公共工事に豊富な実績を有し、官公庁施設、公共住宅などの建築部門約7割、ダムや都市整備工事などの土木部門約3割の割合で手掛け、ピーク時の平成5年3月期には年商約728億3600万円をあげていた。また、先代の勝村幾之介社長が日本水泳連盟の理事長を務めたことなどから水泳競技との関わりが深く、水泳プールの設計・施工には定評があったほか、同社所属のオリンピック選手や日本記録保持者、日本選手団の監督、役員を多数輩出していた。
しかし、近年は公共投資や民間設備投資の抑制から完工高が大幅に減少、平成17年3月期決算では年商約410億6300万円にまで低迷、赤字工事の発生や競争による低採算が響き約25億8300万円の当期純損失を計上した。このため同決算期において「営業損失並びに経常損失の発生、営業キャッシュ・フローの大幅な悪化」という理由で監査法人から初めて「継続企業の前提に関する重要な疑義(ゴーイングコンサーン)」が注記された。
決算発表と同日に「中期経営改善計画」(平成17年4月〜平成20年3月)を発表。無償減資のほかメイン銀行である東京三菱銀行を引受先とした優先株式発行による第三者割当増資を要請中として、経営再建を図っていた。
こうしたなか、今年7月都発注の水道工事をめぐって同社の幹部が逮捕起訴されるという事態が発生。その後、東京都や国土交通省をはじめ全国の自治体などから指名停止処分が相次いだ。
9月16日時点、同社は合計422件の指名停止処分を受け、新規公共工事の受注が困難となり当面の工事代金収入が大幅に減少することが決定的となったため自力再建を断念した。
セイブ(株)(福岡市博多区祇園町6−24、設立昭和49年3月、資本金5000万円、大山成夫清算人)は、7月31日開催の株主総会で解散を決議、9月2日福岡地裁より特別清算手続開始を受けた。負債は約282億5000万円。
同社は昭和43年9月に西部クレジットセンターとして北九州市で創業、49年3月に法人化、55年9月福岡市に移転と同時に日新信販(株)に商号変更した。本業の消費者金融のほか、バブル期には子会社を通して不動産や有価証券へ積極的に投資、近年は地元金融機関とのATM提携や無人契約機の設置で業績を伸ばし、ピーク時の11年12月期には年商約49億円をあげる地元斯業界の有力企業に成長した。
しかし、ここ数年は大手消費者金融業者との競合で劣勢に転じ、16年12月期は年商約23億円にまで減少したうえ、子会社に対する多額の貸付金が回収不能に陥り資金繰りが悪化していた。そのため、今年7月地元の有力金融業者が新たに日新信販(株)を設立して同社の消費者金融業務を継承、同社はセイブに社名変更して清算することになった。
沖縄オーラコーポレーション(株)(沖縄県国頭郡恩納村谷茶1496、設立平成4年5月、資本金25億円、比良竜虎社長、従業員220名)は9月20日、那覇地裁に民事再生手続開始を申し立てた。負債は約244億9100万円。
同社は平成5年4月リゾート地の恩納村西海岸に沖縄県下最大のリゾートホテル「リザンシーパークホテル谷茶ベイ」(地下2F、地上10F、客室558室、収容人員2600名、敷地面積延べ7万5672平方メートル)をオープンしたが、7年10月業績不振に陥っていた当時の親会社から、ホテル受託運営会社の同社がホテル不動産と借入金を引き継いだ。
同ホテルは収容人員1600名のコンベンションホールのほか屋内外プール、各種マリンスポーツ施設を完備、15年9月期からはチャペルをオープンして婚礼関係にも進出し、修学旅行など観光客を主体に年間約40万名を集客、平成16年9月期は年商63億8000万円をあげていた。
しかし、多額の投資にともなう借入負担が経営を圧迫、14年9月期までは億円単位で赤字が連続、そのため8年10月から金利減免処置を受けていた。さらに、18年4月の固定資産の減損会計基準導入を前に金融機関から減損の前倒しを要求され、仮に16年9月期で減損処理を実施したら268億円の有形固定資産は、評価替え後169億円となり大幅な債務超過に転落する状況にあった。
対応策として、みずほプロジェクトを含めた金融機関が中心となり再建を図る目的で今年2月にオキインキャピタル(株)(イー・バラクリシュナン社長)を設立、翌3月にはその子会社として(株)リザンコーポレーション(代表者前社と同一)を設立し、リザンコーポレーションが委託運営を行う方法を取ってきた。だが、みずほプロジェクトが148億円の債権をケイマン諸島で設立されたゴールドマンサックス社の子会社ソーラーウインドツーリミテッドに売却したことで、当初の営業譲渡計画が崩れ民事再生法による再建を図ることとなった。
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