(株)東京商事(TSR企業コード:320178285、法人番号:7011101032841、中央区日本橋堀留町1-8-12、設立1973(昭和48)年3月、資本金2000万円、代表清算人:岩本孝氏)は4月22日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は1004億8300万円。
リゾートホテルやゴルフ場、テーマパーク、スキー場に加え、ブライダル施設、シティーホテル、カプセル&サウナ・スパ、飲食店、会員制事業、オフィスビルなど数多くの施設を保有・運営していた。安達事業グループの中核企業として、ホテル・レジャー施設の経営、貸ビル業などを手掛け、近年は全国に展開しているグリーンプラザチェーンの一角である「グリーンプラザ軽井沢」や同所に設置しているゴルフ場、「おもちゃ王国」の運営、貸ビル運営(大半はグループ企業への賃貸)なども手掛け、ピーク時の1987年12月期には売上高約179億円をあげていた。
しかし、一部のホテル運営をグループ会社へ移管したことなどから2018年3月期(決算期変更)の売上高は約50億4000万円に減少。不動産購入、グループ企業に対する貸し付けなどに伴う過大な金融債務に加え、不良債権処理を行ったことにより連続赤字を計上し、大幅な債務超過に転落していた。
この間、金融機関が断続的に債務を投資会社などに譲渡し、その後2018年3月30日、会社分割によって新設された(株)日本商事(TSR企業コード:027756874、法人番号:2010001190738、東京都中央区)に事業を譲渡。2020年11月30日、株主総会の決議により解散していた。
(株)コイケ(TSR企業コード:400660636、法人番号:9180001035738、名古屋市中区丸の内3-7-19、設立1975(昭和50)年8月、資本金2000万円、小池義仁社長)は5月14日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は山崎良太弁護士ほか(森・濱田松本法律事務所、東京都千代田区丸の内2-6-1、電話03-5223-7790)。負債総額は72億5400万円。
婦人服や子供服の輸入・卸売を手掛け、セーターのほかジャケットやカットソーなども扱っていた。自社での商品企画と海外現地法人を含む仕入ルートが強みで、関東地区での新規開拓が奏功した2019年7月期には、過去最高となる約125億2000万円の売上高を計上した。
しかし、海外とのL/C手形決済を背景に資金需要は慢性的に高く、借入に依存した余裕のない資金繰りが続いていた。こうしたなか、2020年7月期には「新型コロナウイルス」感染拡大を背景に需要が減退。一部顧客からの受注が前期比80%ダウンするなど販売が落ち込み、売上高は約116億3800万円に後退した。上半期の好調により黒字は維持したが、2021年7月期に入ると、主要取引先からの代金回収の長期化とコロナ禍の影響が重なり、資金繰りが一層悪化。新たな資金調達も限界となり、債務弁済の見通しが立たなくなったことから、民事再生手続による再建を図ることとなった。
(株)パネイル(TSR企業コード:300047690、法人番号:9010001150900、中央区日本橋兜町20-7、設立2012(平成24)年12月、資本金1億円、名越達彦社長)は5月18日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は根來伸旭弁護士(弁護士法人マーキュリー・ジェネラル、大阪府大阪市北区堂島浜1-4-16、電話06-6344-4800)。監督委員には平山隆幸弁護士(平山法律事務所、新宿区新宿2-9-22、電話03-5363-7391)が選任された。負債総額は61億4500万円。
設立当初は太陽光発電業者向けのマッチングサイトを運営していたが、電力小売自由化を契機に電力需給管理システムの開発や電力小売業務支援などのコンサルティングに乗り出した。
主力商品の「Panair Cloud(パネイルクラウド)」は、電力小売事業者(新電力)向けのクラウドソリューションで、人口知能とビッグデータの分析技術を活用した電力需給オペレーションの自動化システムとして注目を集めていた。先進性の高さからスタートアップを対象とした様々なビジネスコンテストなどで受賞歴を持つほか、複数のベンチャーキャピタルなどから出資を受け、マスコミなどへの露出も高かった。
業容拡大の一方で、子会社を通じて電力小売事業にも進出。また、2018年4月には電力販売トップの東京電力エナジーパートナー(株)(TSR企業コード:014680823、法人番号:8010001166930、東京都中央区)と共同出資による電気・ガス販売の(株)PinT(TSR企業コード:018142192、法人番号:3010001175548、千代田区)の設立や、エネルギー市場のIT化促進を目的に同業他社との提携などを通じて事業領域を広げ、2018年9月期は売上高172億6141万円をあげていた。
しかし、電力小売事業での採算悪化などからその後は急速に業績が悪化。電力小売部門の事業売却などで業容を大幅に縮小していた。また、人材流出を巡ってPinTと東京電力エナジーパートナーとの間でトラブルが表面化していたほか、資金繰り悪化から支払債務が延滞するなどして動向が注目されるなか、今回の措置となった。
(株)KS(旧:(株)光商、TSR企業コード:293763240、法人番号:2010501019148、台東区入谷2-36-10、設立1988(昭和63)年3月、資本金7100万円、代表清算人:鎌田昌樹氏)は5月19日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。負債総額は33億円。
キムチや漬物などの加工食品や調味料、業務用食材を取り扱い、千葉工場や群馬工場での製造を手掛けていた。2013年4月期の売上高は50億3038万円だったが、積極的な投資や工場の買収などから2017年4月期には71億9335万円に拡大。さらに、2017年11月には千葉工場の開設が寄与し、2018年4月期の売上高は80億4432万円をあげ、事業は急拡大していた。
しかし、2018年4月期は原材料や人件費の高騰に加え、保有在庫の評価損、外国為替の損失なども発生し、5億3845万円の赤字に転落。採算性が不安定な状況が続き、財務内容も悪化していた。2019年10月、会社分割により新会社(株)光商(TSR企業コード:132709058、法人番号:6010501044737、同所)を設立し、当社の事業を譲渡。また、同時に(株)光商から現商号に変更し2020年12月10日、株主総会の決議により解散していた。
(株)九設(TSR企業コード:890159912、法人番号:3320001004576、大分市大字津守500、設立1996(平成8)年3月、資本金2000万円、田島貴博社長)は5月10日、大分地裁に破産を申請した。申請代理人は松田健太郎弁護士(まつだ総合法律事務所、大分市中島西1-1-28、電話097-535-1515)。負債総額は30億6400万円。
管工事・設備工事業者で、各種リフォーム工事にも注力していた。2007年10月に福岡県、2011年5月に熊本県にも拠点を開設し業容を拡大。近年の完工高は約50億円で推移し、一般管工事業としては大分県でトップクラス、九州内でも上位に成長していた。
しかし2021年4月27日、福岡県警察が北九州市に、当社が「当該業者の役員等が、暴力団と『社会的に非難される関係を有していること』に該当する事実があることを確認した」と通報し、北九州市が公共事業などからの排除期間を公表していた。このため、信用低下は免れず今後の事業継続のめどが立たないことから、今回の措置となった。
関連サービス
人気記事ランキング
「戸建住宅」メーカー115社 増収増益 3年連続増収も、減益企業は半数に
全国の主要戸建メーカー、ハウスビルダー115社の2023年度決算(2023年4月期-2024年3月期)は、売上高8兆1,214億円(前年度比3.8%増)、利益4,728億円(同17.8%増)と増収増益だった。 2023年度の新設住宅着工戸数(持家+分譲戸建、国交省)は、前年度から1割減(9.9%減)の35万3,237戸にとどまった。
2
2024年の「早期・希望退職」募集1万人が目前 上場企業53社、人数非公開の大型募集相次ぐ
2024年1月から11月15日までに「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は53社(前年同期36社)で、前年同期の約1.5倍のペースで推移している。集計の対象人員は、9,219人(同2,915人)と3倍に増加し、すでに2023年の年間社数、人数を上回った。
3
2024年1-10月「後継者難」倒産396件 後継者不在が深刻、年間最多の500件も視野
代表者の高齢化など、後継者不在による倒産が増勢をたどっている。10月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は49件(前年同月比32.4%増)発生し、1-10月の累計は396件(前年同期比10.3%増)と1-10月の最多を更新した。
4
「雇用調整助成金」の不正受給公表が累計1,446件 全国ワーストは愛知県、年商を上回る不正受給は31社
全国の労働局が10月31日までに公表した「雇用調整助成金」(以下、雇調金)等の不正受給件数が、2020年4月から累計1,446件に達したことがわかった。不正受給総額は463億7,025万円にのぼる。2024年10月公表は35件で、4月(23件)に次いで今年2番目の低水準だった。
5
船井電機「破産開始」への対抗、天文学的な成功率
船井電機(株)(TSR企業コード:697425274)の破産手続きが混沌としている。10月24日に東京地裁へ準自己破産を申請し同日、開始決定を受けた船井電機の破産手続きに対抗する動きが明らかになった。