こうして倒産した

2024年(令和6年)9月度こうして倒産した・・・
(株)環境経営総合研究所
  • 東京
  • 新素材紙パウダー製造ほか
負債総額
246億1009万円
 

 (株)環境経営総合研究所(TSR企業コード:294046615、法人番号:5011001043734、渋谷区南平台町16-29、設立1996(平成8)年12月、資本金24億7000万円)は9月30日、会社更生開始決定を受けた。
 管財人には岩崎晃弁護士(岩崎・本山法律事務所、中央区八丁堀4-1-3)が選任された。
 負債総額は債権者63名に対して246億1009万円。
 古紙や廃プラスチックなどを再利用し、環境に配慮した新素材「紙マスターバッチ(M/B)」や「MAPKA(マプカ)」などの開発製造を展開。使い捨てプラスチックによる海洋汚染などの環境問題に対応した新素材として注目され、2000年9月に千葉県松戸市に研究施設を開設したほか、2003年5月に千葉県旭市に研究施設、工場を開設。その後、北海道札幌市に工場や営業部、茨城県土浦市に工場など順調に業容を拡大させるとともに日本政策投資銀行から出資を受けていた。以降も、アメリカにJV工場、韓国企業への出資やJVによる工場開設するなど海外展開を強化していた。
 しかし、2005年から2006年にかけて、第三者に約50億~60億円の資金流出があった。同時期から決算書の粉飾を開始し、売掛金等を操作。複数の決算書を作成しており、官報公告では、2023年8月期の売上高519億2635万円、最終利益36億380万円を確保し、純資産345億1902万円、総資産544億1966万円としていたが、税務申告では、2023年8月期の売上高は46億9281万円に対し、最終利益は2億3473万円にとどまり、純資産56億7069万円、総資産300億2835万円だった。売掛金等を適正に処理した場合、債務超過に陥る可能性が高まったため、債権者から会社更生法を申し立てられていた。

(株)オーカワほか1社
  • 奈良
  • こんにゃく製造
負債総額
68億2276万円
 

 (株)オーカワ(TSR企業コード:620058161、法人番号:5150001015985、吉野郡下市町栃本1-1、設立1985(昭和60)年7月、資本金2500万円)と、関連の大川商店(株)(TSR企業コード:622124595、法人番号:6150001018054、同郡下市町伃邑2212、設立2012(平成24)年11月、資本金1000万円)は9月17日、奈良地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には北條正崇弁護士(やすらぎ法律事務所、奈良市高天市町11)が選任された。
 負債はオーカワが44億965万円、大川商店が24億1311万円で、2社合計68億2276万円。
 オーカワは、こんにゃくの製造販売を手掛けていた。大手スーパー等への拡販に取り組み、ゴマ豆腐やところてんなど扱い品を増やすことで事業規模を拡大させ、2016年4月期には売上高約44億5000万円をあげていた。しかし、近年は同業者間での低価格競争もあり年間売上高は40億円を割り込む水準となり、業績は頭打ちの状態が続いていた。
 2020年4月期には一旦閉鎖していた中部圏の営業所を再開し、2021年4月期には大阪営業所も開設するなどして営業強化を図り、2023年4月期にはパッケージのリニューアル等にも着手したものの、思うように業績は改善しなかった。こうしたなか、商品「匠の生芋しらたき」において、一部に溶解が見受けられ、腐敗臭が確認されたとして自主回収および返金を余儀なくされる事態が発生。2024年8月1日より対応開始となっていたが、事業継続の見通しが立たず、8月9日に事業を停止していた。
 大川商店はオーカワに対してこんにゃく芋等の原材料を供給していたが、同社に連鎖した。

旭機工(株)
  • 東京
  • 太陽光発電関連事業
負債総額
49億2200万円
 

 旭機工(株)(TSR企業コード:293864616、法人番号:1013301022850、豊島区南池袋2-47-6、設立1995(平成7)年7月、資本金9000万円)は9月3日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。
 申請代理人は星健太弁護士(弁護士法人霞門法律事務所、港区新橋1-18-21)。
 負債総額は49億2200万円。
 防音ハウスや防音壁など防音設備のリース、販売を手掛けていた。栃木県足利市内に設置した工場で生産し、建設業者向けに販路を有していた。このほか、太陽光設備の設計施工および介護機器・用具の販売などにも事業範囲を拡大させ、2020年6月期には売上高51億5478万円をあげていた。しかし以降は、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響を受けるほか、2022年11月には建設業登録を廃業するなど事業規模を縮小していた。金融機関に返済リスケジュールを要請し、再建に取り組んでいたが資金繰りは改善せず、今回の措置となった。

(株)ガクエン住宅
  • 東京
  • 不動産販売ほか
負債総額
41億800万円
 

 (株)ガクエン住宅(TSR企業コード:292147198、法人番号:4011801000943、葛飾区南水元2-20-10、設立1984(昭和59)年1月、資本金8000万円)は9月10日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には浅沼雅人弁護士(ときわ法律事務所、千代田区大手町1-8-1)。
 負債総額は41億800万円。
 葛飾区を中心に戸建て分譲住宅の販売や建設を手掛けていた。地元地域ではラッピングバスを利用した積極的な広告で知名度を有し、地域密着型の営業展開を図っていた。また、足立区内にも支店を開設して営業エリアを拡大させ、2007年5月期には売上高95億7669万円をあげていた。しかし、以降は同業大手との競合激化などにより減収推移が続いていたうえ、「新型コロナウイルス」感染拡大で対面営業が制限されるなど事業環境が悪化し、2022年5月期の売上高は40億8718万円に減少。原材料高騰などの影響もあり、利益面の苦戦から借入金に頼った資金繰りが続くなか、2024年5月期は売上減や在庫処分で5億円を超える赤字に陥った。このため、新たな資金調達先を模索していたが難航し、ここにきて資金繰りが限界に達した。

(株)GDL
  • 埼玉
  • 物流事業ほか
負債総額
33億円
 

 (株)GDL(TSR企業コード:314425519、法人番号:6030001095295、深谷市櫛引153-1、設立2012(平成24)年11月)は9月13日、さいたま地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には青山隆治弁護士(弁護士法人Monte南浦和法律事務所、さいたま市南区南浦和2-39-18)が選任された。
 負債総額は33億円。
 中古家電の販売や物流管理を行う(株)ファイブワンリユース(TSR企業コード:313886431、法人番号:8030001087596、深谷市)からネット事業を引き継いで事業を開始。当初は受注ベースで仕入れを行うシステムを採用することで在庫を持たない経営を維持していたが、取扱品の増加と、それに伴い倉庫の拡張が必要となったことなどで新たに賃貸倉庫を手配。これにより注文後から数日での配送を可能とする体制を構築した。
 最近では、自社のインターネットショップ「ふっか屋」に加え、アマゾン、楽天、ヤフー、auなど各種ECサイトにも出店。清涼飲料水、キッチン用品、家電、日用品、加工食品など幅広い商品を取り扱い一般個人向けに販売するほか、顧客の荷物を保管して仕分け・出荷する物流事業も展開していた。
 しかし、急激な事業拡大に伴う経費の膨張と低価格・低収益での経営を強いられてきたことから厳しい資金繰りが続き、ノンバンクから資金を調達するなどして凌いでいたものの、資金繰りは好転しなかった。一時期はスポンサー支援による事業の再建を目指していたが、優良スポンサーがみつからないことで再建計画が実現せず、事業継続が困難となり、今回の措置となった。

(株)マ・メール
  • 大阪
  • 高級子供服輸入販売
負債総額
23億7800万円
 

 (株)マ・メール(TSR企業コード:570657296、法人番号:4120001089868、大阪市住之江区南港北2-1-10、登記上:同市中央区備後町2-5-8、設立1978(昭和53)年4月、資本金2億4800万円)は9月24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。
 申請代理人は岡野真也弁護士(弁護士法人岡野真也法律事務所、東京都中央区日本橋本石町3-1-2)ほか5名。
 負債総額は23億7800万円。
 大阪市で創業し、子供服の卸売を中心として事業を展開していたが、2000年7月期に海外子供服ラグジュアリーブランドとの独占契約締結を契機として、本格的に小売業へ進出。「日本初のラグジュアリー子供服ブランド」の小売店として、マーケットの反響を呼び、各方面からの多数の出店要請を受け、2005年7月期には、全国18拠点29店舗を展開するまでに店舗網を拡大し、売上高も20億円を突破した。
 2006年頃からは株式上場を目指し、さらなる店舗網の拡大、広告宣伝、顧客・商品データベースシステムへの投資などを推進していたが、リーマン・ショックによる信用市場の収縮をはじめとする外部環境の悪化と消費環境の冷え込みを背景に、業績にも急ブレーキがかかった。
 2008年10月には、取引金融機関に対してリスケジュールを要請。不採算店舗の撤退、役員報酬の大幅カット、人員整理などの徹底した販管費削減策を実行し、2012年7月期には黒字化を果たし、2019年7月期まで9期連続で営業黒字を継続するまで業況は改善した。
 しかし、2020年からのコロナ禍により、主な販路である百貨店やホテル内店舗が大きなダメージを負ったことに加え、ロシアのウクライナ侵攻による物流網の混乱、各種コストの高騰、急激な円安進行により、資金繰りが悪化。営業店舗をコロナ禍前の14店舗から8店舗へ絞るなど固定費の削減を断行するほか、「マ・メール」の名称を冠したオリジナルブランドやEC事業の立ち上げにも注力していたものの、海外主要メーカーの支払条件がキャッシュオンデリバリーに切り替わったことも影響し、資金繰りが悪化。2024年9月25日の債務支払いのめどが立たず、今回の措置となった。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
負債額順にまとめた記事はこちら

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