(株)レナウン(TSR企業コード:295833440、法人番号:6010701015232、江東区有明3-6-11、設立2004(平成16)年3月、資本金184億7106万円、毛利憲司社長、東証1部)は5月15日、子会社から東京地裁に民事再生法の適用を申し立てられ同日、民事再生開始決定および管理命令を受けた。管財人には永沢徹弁護士(永沢総合法律事務所、中央区日本橋3-3-4、電話03-3273-1800)が選任された。負債総額は138億7900万円。
「ダーバン」や「アクアスキュータム」などのブランドで知られる老舗アパレル業者。1902(明治35)年、大阪で衣料品販売を手掛ける「佐々木商会」として創業し、メリヤスを中心とした繊維商品の製造を展開した。1960年代より、レディースアパレルとして人気を博し、積極的な宣伝広告を展開。CMソング「レナウン娘」などで知られ、業界大手に成長した。
しかし、安価な海外ブランドの流入などによる競合激化から業績が下降し、2004年に紳士アパレル大手のダーバンと経営統合。さらに、2010年以降は中国の繊維大手の山東如意科技集団有限公司が第三者割当による新株発行で筆頭株主となり、山東如意グループ入りしていた。
こうしたなか、2019年12月期は消費税増税、暖冬などで重衣料が苦戦。主要販路である百貨店向け販売も低調で、厳しい経営が続いた。10カ月変則決算となった同期は連結ベースで売上高502億6200万円、営業損失79億9900万円で2期連続の赤字を計上。また、山東如意グループの香港企業に対する売掛金の回収難により、同期に53億2400万円の貸倒引当金を計上したことで大幅な赤字を計上し、決算短信に「継続企業の前提に関する注記」(GC注記)を記載した。
新社長に就任した毛利憲司氏は2020年3月27日、都内で行った就任会見で「新型コロナウイルスで消費は経験したことのないような打撃を受けている」とコメント。業績悪化に加え、新型コロナウイルスの影響を示唆していた。こうしたなか、子会社の(株)レナウンエージェンシー(TSR企業コード:291357725、法人番号:8010701021765、江東区)から東京地裁に民事再生手続を申し立てられ、今回の措置となった。
大東海運産業(株)(TSR企業コード:940015013、法人番号:9340001002548、鹿児島市名山町1-3、設立1960(昭和35)年12月、資本金8800万円、代表清算人:西村賢弁護士)は5月1日、鹿児島地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は64億円。
大手海運業者との密接な取引関係を背景に、自社およびSPC(特定目的会社)で新船建造を意欲的に進め、南西諸島とアジア近海に定期航路を有するほか、大型船舶の船主業を手掛けていた。とくに、台湾企業が日本向けに出荷する鋼材の輸送が安定部門となっていたため台湾航路の鋼材海運に強く、一時期はオペレーション業務も含めて常時約20隻を運航。2012年5月期にはSPCを含む売上高は約75億円を計上していた。
2008年以降の円高、燃油価格の高止まり、為替デリバティブ取引での損失などで多額の赤字を計上して経営状態が悪化。2013年7月、東あすか氏が代表取締役に就任した頃から外部機関の協力・同意を取り付けて、経営改善に本格的に乗り出した。社有不動産を始めとした資産売却でスリム化、関係会社の整理等を図ったほか、為替相場も円安に転じるなど事業環境が好転し、2015年5月期のSPCを含む総売上高は約81億円、単独売上高は約34億円を計上していた。
しかし、その後、為替の円高傾向や海運市況の悪化によって取り巻く経営環境が悪化。2017年10月1日、会社分割によりゼネラルマリックス海運(株)(TSR企業コード:025187015、法人番号:6010401132591、東京都港区)に日本・台湾航路に関わる営業基盤と、船舶および船舶建造資金の借入残を移管。以降は事業を大型遠洋船舶の船主業に縮小したが、世界的な海運市況の悪化によって、2019年5月期の売上高は約1億7000万円に落ち込み、債務超過額は約57億円に膨らんでいた。
こうしたなか、当社は2019年12月27日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
旭東ホールディングス(株)(TSR企業コード: 570057078、法人番号:6120001000361、大阪市旭区新森6-2-1、設立1949(昭和24)年10月、資本金3000万円、北村文秀社長)は5月8日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は佐藤俊弁護士ほか(弁護士法人大江橋法律事務所、大阪市北区中之島2-3-18、電話06-6208-1323)。監督委員には松本洋介弁護士(桜橋法律事務所、大阪市北区堂島2-2-2、電話06-6344-5198)が選任された。負債総額は64億円。 旭東電気(株)の商号で設立。住宅用分電盤用の安全ブレーカや小型漏電遮断器の製造を手掛け、住宅設備機器メーカーなどに販路を構築し、1992年3月期には売上高319億9665万円をあげていた。
2013年頃から香港・中国の現地法人が手掛ける車載用スイッチ事業での投資回収が難航し、赤字決算が慢性化。当社グループからの資金援助していた。このようななか、グループ再編を目的に2018年には会社分割で新たに旭東電気(株)(TSR企業コード:032102984、法人番号:6120001214548、大阪市旭区)を設立し、大半の事業を移管。当社は現商号を変更し、以降は持株会社として有価証券の運用および不動産賃貸にシフトしていた。
しかし、2020年に入り新型コロナウイルスの影響から、香港・中国の現地法人の資金不足に拍車がかかり、付随して当社グループの資金繰りも逼迫。4月28日には中核事業会社である旭東電気が大阪地裁に民事再生法の適用を申請していた。
(有)有楽商事(TSR企業コード:270161660、法人番号:8070002035237、沼田市下久屋町901-1、設立1986(昭和61)年1月、資本金1000万円、菊地万石社長)は4月30日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には平光哲弥弁護士(平光・大久保法律事務所、東京都港区西新橋1-14-9、電話03-3539-2171)が選任された。負債は55億4400万円。
1959年に沼田市内でパチンコ店「有楽」を開店。1980年代には同業他社が駐車場完備の大型店を郊外に出店したことから当社もその流れに乗り、市街地店を閉店し、国道沿いに相次いでオープン。2001年9月には既存店を大型店舗にリニュ-アルしたことで集客力はさらに増し、2005年12月期には売上高約92億9100万円を計上し、市内有数のパチンコ店に成長していた。
しかし、2007年にスロット4号機の撤去など遊戯台の規制強化を受けて遊戯人口が減少。これを受けて、既存店舗のリニューアルを相次いで実施し、集客維持に努めてきたが、投資効果は一時的なもので2010年12月期以降は減収が続いた。
売上不振を背景に2016年12月期以降は毎期億単位の赤字を計上していたうえ、過去の大型投資から借入金も膨らみ、資金繰りが悪化。こうしたなか、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年4月14日に全店舗を臨時休業としていたが、営業再開を断念し今回の措置となった。
ホテル一萬里(株)(TSR企業コード:411032054、法人番号:5100001008036、佐久市中込3150-1、設立1967(昭和42)年7月、資本金1000万円、沖津博之社長)は5月22日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には小笹勝章弁護士(笠井総合法律事務所、東京都中央区銀座3-11-18、電話03-3546-2033)が選任された。負債総額は35億2000万円。
北佐久郡軽井沢町で設立。1989年7月に現在地に移転し、佐久市中込地区では唯一の天然温泉「佐久一萬里温泉・ホテルゴールデンセンチェリー」(地上11階・地下1階・客室151室)を経営していた。
浴場には源泉大浴場や源泉露天風呂、源泉洞窟風呂、源泉歩行風呂など11種類を備え、宿泊や昼食付の日帰り温泉プランも提供。宴会や披露宴などにも対応し、ピーク時の1996年5月期には売上高約17億9900万円を計上した。しかし、近年は単価の下落や宴会需要の減退に伴い、2019年5月期の売上高は約7億6000万円まで減少。過去の設備投資負担が重く、たびたび赤字を計上するなど、厳しい経営が続いていた。
コンサルタントの指導を仰ぎ、営業強化等により再建に努めていたが、2020年3月以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で顧客数が減少。資金繰りのめどが立たなくなったことから、事業継続を断念した。
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