理建工業(株)(江東区亀戸4-46-15、設立昭和45年4月、資本金3億8000万円、水上洋会長)は再度の資金ショートを起こし10月5日、行き詰まりを表面化した。負債総額は90億7300万円。
同社は、ビル・マンションのシーリング防水や店舗内装の工事業を主力に、大手を含むゼネコン各社を顧客とし、横浜に支店を、千葉、群馬、茨城の各県に営業所を構えていた。また、過去に本社移転してきた都内の不動産を賃貸用物件として有していた。平成15年頃からは飲食店やフィットネスクラブのFC店経営も積極的に手がけて業容拡大が進み、同22年3月期の年商は約121億7800万円を計上していた。
しかし、平成22年10月にフィットネスクラブ経営を会社分割で切り離したため同23年3月期の年商は約117億9100万円に減少。同20年6月の現本社不動産購入やゼネコンからの回収が長期傾向だったこともあって収支ズレの金額が大きく借入金が増加。同23年3月期の完成工事未収入金と未成工事支出金の合計は約73億7800万円にのぼっていた。
こうしたなか、6月には一部取引先に対し支払延期を要請するなどの対応を行ったほか、9月28日を返済期日として1億5000万円を都内の投資会社から調達。6月以降は社長を含む経営陣を大幅に変更し再建を目指していたが、9月20日以降の決済で再度の資金ショートを起こした。
柏崎シルバー精工(株)(柏崎市安田194-1、設立昭和44年10月、資本金1億円、坂本清司社長)は、再度の資金ショートを起こし10月26日に行き詰まりを表面化させた。
負債総額は旧親会社のシルバー精工(株)からの借入金81億5500万円を含めて総額約82億円が見込まれる。
同社は、シルバー精工(株)の子会社として設立。メカトロ品の一貫製造を強みに編機などの民生用機器を製造し、ピーク時の昭和56年3月期では売上高約96億4100万円を計上した。しかし、親会社の業績不振を受けて収益が悪化した。昭和59年3月期から平成23年3月期までに積み上げた赤字で債務超過額が約80億円にまで膨らみ、親会社から不足資金を借入して運営を維持していた。
この間、親会社のシルバー精工(株)が平成22年12月に再度の資金ショートを起こした事で信用不安が高まり、沖縄在住の実業家をスポンサーに迎えると共に7月に柏崎ユーエステック(株)に商号を変更して事態の沈静化を図った(8月に柏崎シルバー精工に商号を戻している)。しかし、シルバー精工(株)が9月27日に民事再生法の適用を申請した事で、シルバー精工(株)からの約81億円におよぶ借入金の返済問題が浮上して今回の事態となった。
なお、10月3日に会社分割を行ってシルバー精工(株)に対する債務を柏崎シルバー精工(株)が負い、分割した新会社にシルバー精工(株)以外の取引先の債権債務など大半の事業が移管され、従業員も新会社に転籍している。
三洋ジーエスソフトエナジー(株)(京都市南区吉祥院新田壱ノ段町5、設立昭和57年9月、資本金35億円、代表清算人:淡路谷隆久氏ほか1名)は、10月19日京都地裁から特別清算開始決定を受けた。申請代理人は茶木真理子弁護士(御池総合法律事務所、京都市中京区烏丸御池東入アーバネックス御池ビル東館6階、電話075-222-0011)。負債総額は49億5800万円。
同社は、設立当初は三菱電機(株)の資本参加を得るなど企業体制に変遷もあったが、平成15年2月から現体制となり三洋電機(株)が51%、(株)GSユアサ((株)ジーエス・ユアサコーポレーションの100%子会社)が49%を出資する合弁会社として、小型角型リチウムイオン電池の素電池製造及びパック加工を手がけていた。
しかし、同21年3月期より経営状態が悪化し、固定費削減等の構造改革を実施してきたが、収支改善には至らず、同23年3月期末時点での債務超過額は約48億2400万円にのぼった。このため事業継続が困難となり、事業を終了させ、9月26日の株主総会で解散を決議していた。
小川テント(株)(江東区福住1-14-7、設立昭和21年3月、資本金6000万円、新宮豊雄社長、従業員56名)は、10月31日東京地裁に破産を申請した。申請代理人は成田茂弁護士(日比谷共同法律事務所、千代田区有楽町1-7-1、電話03-3215-2470)ほか。負債総額は48億7600万円。
同社は、大正3年に創業された老舗テントメーカー。当初より繊維、帆布製品を取り扱い、衣類やリュックサック、海洋資材などの製造を行っていた。とりわけキャンプ用テントは昭和30年代より欧米向けの輸出で実績を有し「小川テント」のブランドで国内のテント、アウトドア用品メーカーの草分けとして高い知名度を有していた。
なお、平成12年にキャンプ・アウトドア用品部門を同社より分社化した関連会社(株)小川キャンパル(同所)が引き継いでいる。
最近はテント素材を利用した倉庫、物流資材、土木海洋用品、防災用品など扱い品は多岐に渡り、競技場やバッティングドームなどのスポーツ施設や商業施設、イベントスペースなどの大型膜構造物の設計・施工も手がけていた。官公庁や大手企業などから受注を請け負い、ピークの平成4年3月期には年商119億9800万円を計上していた。
しかし、以降は市況低迷による設備投資、大型イベントの減少などから売上はジリ貧傾向となり、平成23年3月期は年商40億4900万円にまで落ち込んでいた。また、過大な金融債務が財務の負担となり、同22年4月には取引金融機関から債権譲渡登記を設定されるなどしていた。今期に入っても業績は伸び悩むなか、大口の不良債権もあって資金繰りが悪化した。
(株)アルファ・イチマルマル(浜松市中区鍛冶町100-1、登記上:東京都足立区興野2-7-8、設立平成3年11月、資本金1240万円、千田純一社長)は、10月5日東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人は梶谷篤弁護士(梶谷綜合法律事務所、千代田区丸の内2-4-1丸の内ビルディング23階2311区、電話03-3212-1451)。負債総額28億円。
同社は、再開発ビル「ザザシティ浜松中央館」の商業区画管理を目的に平成3年11月設立された。同7年3月再開発組合も設立され、浜松市の補助金を含め190億円内外にて施設を建設し、同13年開業となった。
しかし、同時期に当地老舗百貨店の破産も重なり、景況感の悪化や消費の冷え込みからテナントの入居率は低迷していた。同16年3月公的支援案を市議会が否決、同17年5月再開発組合が債務清算に向けて民事調停を申請するが、同18年12月取り下げとなった経緯がある。善後策を模索していたところ、売却先が決まったことで破産を申請した。
関連サービス
人気記事ランキング
「戸建住宅」メーカー115社 増収増益 3年連続増収も、減益企業は半数に
全国の主要戸建メーカー、ハウスビルダー115社の2023年度決算(2023年4月期-2024年3月期)は、売上高8兆1,214億円(前年度比3.8%増)、利益4,728億円(同17.8%増)と増収増益だった。 2023年度の新設住宅着工戸数(持家+分譲戸建、国交省)は、前年度から1割減(9.9%減)の35万3,237戸にとどまった。
2
2024年の「早期・希望退職」募集1万人が目前 上場企業53社、人数非公開の大型募集相次ぐ
2024年1月から11月15日までに「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は53社(前年同期36社)で、前年同期の約1.5倍のペースで推移している。集計の対象人員は、9,219人(同2,915人)と3倍に増加し、すでに2023年の年間社数、人数を上回った。
3
2024年1-10月「後継者難」倒産396件 後継者不在が深刻、年間最多の500件も視野
代表者の高齢化など、後継者不在による倒産が増勢をたどっている。10月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は49件(前年同月比32.4%増)発生し、1-10月の累計は396件(前年同期比10.3%増)と1-10月の最多を更新した。
4
「雇用調整助成金」の不正受給公表が累計1,446件 全国ワーストは愛知県、年商を上回る不正受給は31社
全国の労働局が10月31日までに公表した「雇用調整助成金」(以下、雇調金)等の不正受給件数が、2020年4月から累計1,446件に達したことがわかった。不正受給総額は463億7,025万円にのぼる。2024年10月公表は35件で、4月(23件)に次いで今年2番目の低水準だった。
5
船井電機「破産開始」への対抗、天文学的な成功率
船井電機(株)(TSR企業コード:697425274)の破産手続きが混沌としている。10月24日に東京地裁へ準自己破産を申請し同日、開始決定を受けた船井電機の破産手続きに対抗する動きが明らかになった。