エス・エス・シー(株)(今治市恵美須町3−1−32、登記上:東京都港区高輪2−14−18、設立昭和35年3月、資本金1000万円、齋宮健二郎社長)と、関連会社の(株)エヌ・エス・シー(今治市松本町5−1−1、設立昭和55年8月、資本金1000万円、同社長)は3月14日、東京地裁より破産手続開始決定を受けた。破産管財人は森順子弁護士(東京都千代田区区丸の内1−4−2、電話03−3813−3433)。負債はエス・エス・シー(株)が約788億円、(株)エヌ・エス・シーが約220億円。
同社は昭和35年3月に愛媛信用販売(株)として設立され、44年11月四国日本信販(株)に商号変更、平成19年1月現商号に変更し本社登記を東京に移した。四国一円の加盟店を対象にしたクレジットカード及び割賦債権買取などの金融業と、積極的な不動産投資で業績を伸ばし、平成3年3月期には年商117億8600万円をあげていた。
しかし、バブル崩壊後は経営環境が一変し業績は急速に悪化、平成11年3月期は年商12億9300万円に落ち込み、対応策として事業所の統廃合、人員の削減、所有不動産の売却、さらに平成11年3月には信販業務を子会社へ移管するなどリストラに取り組んでいた。このため、以後は不動産収入のみとなり、平成18年3月期は年商5100万円にまで減少、債務超過は792億円に膨らんでいた。
(株)石地観光開発(柏崎市西山町大崎873、設立平成1年2月、資本金6000万円、谷口誠社長、従業員30名)は3月7日、新潟地裁長岡支部に民事再生手続開始を申し立て同日保全命令を受けた。申立代理人は小杉公一弁護士(東京都港区虎ノ門1−19−10、電話03−5532−1871)ほか。監督委員には小海要吉弁護士(新潟市西堀前通4−732、電話025−229−4517)が選任されている。負債は預託金を中心に約180億円。
同社は平成1年2月に設立されたゴルフ場経営会社。平成5年9月にオープンした「石地シーサイドカントリークラブ」を経営、同ゴルフ場は18ホール、パー72、6543ヤード、125万平方メートルの丘陵コース。借入を利用せず総工費100億円超を会員からの預託金で調達、ピーク時には年商約5億円をあげていた。
しかし、オープン時期がバブル崩壊後であったことや、近年は近隣ゴルフ場との競争激化から業績が低迷、平成18年3月期は年商約2億円にとどまり低収益が続いていた。そのため、平成17年8月に預託金償還期限の延長を会員に求めたが、会員から十分な同意を得られず、このままでは償還や事業継続の目処が立たないとして民事再生法による再建を図ることになった。
中国バス(株)(福山市多治米町6−12−31、設立昭和6年3月、資本金9815万5200円、濱岡康正社長、従業員241名)は3月8日、広島地裁福山支部に破産手続開始を申し立て、3月12日開始決定を受けた。破産管財人は内林誠之弁護士(内林法律事務所、福山市三吉町4−1−1−205、TEL084−925−1134)。負債は約144億円。
同社は昭和6年3月新市自動車(株)として設立、16年11月地元同業者が合併したニコニコ自動車(株)に商号変更、36年7月ニコニコバス(株)に商号変更したのち、45年3月現商号とした。広島県東部一帯の広範囲に路線を持ち、山間地の路線が多かった。特に南北の路線は、鉄道が1本しかなく、地域の生活の足として定着していた。自家用車の普及に伴って路線バスの乗客数が減少したが、高速バスの路線を増やして売上維持を図り、ピークとなる平成7年3月期の年商は38億円を上げていた。
しかし収益面は、車両の購入に伴う借入金の金利や減価償却費の負担があり、昭和61年3月期に1億円の当期損失となり以降は赤字決算が増え、平成5年3月期からは7期連続の赤字を強いられた。平成13年3月期に社有不動産を時価評価に換えて特別利益を計上、平成14年3月期も分社化と減資による会計処理によって黒字を出して債務超過は一掃、その後表面上は黒字となったが資金繰りは一向に改善せず、路線バスの不振で13年3月期からは減収傾向に変わり、16年8月期は再び1億9600万円の減資を行って17年3月期は黒字とした。18年3月期も売上高は前期比5.7%減の24億7800万円、経常損失は4億7800万円に膨らんでいた。
業績不振により平成18年6月より整理回収機構(RCC)の「RCC企業再生スキーム」を利用した私的再生手続きを始め、12月1日両備バス(株)(岡山市錦町7−22、小嶋光信社長)が全額出資した(株)中国バス(福山市三之丸町6−8、小嶋光信社長)と事業譲渡契約を結び、12月22日に全事業を引き渡していた。
(株)佐田住宅センター(前橋市千代田町1−1−20、設立昭和45年11月、資本金1億円、今井満次社長)は3月29日、前橋地裁に破産手続開始を申し立てた。申立代理人は足立進弁護士(足立法律事務所、前橋市大手町3−4−5、電話027−231−9612)。負債総額は約140億円。
同社は佐田建設(株)の関連会社として設立され、住宅、不動産部門に位置付けられ、一般住宅のほか工場、店舗、マンションなどの建築工事を手がけてきた。ピーク時の昭和63年3月期には年商120億円をあげていたが、平成16年3月期には年商22億円に落ち込んだ。
また系列のゴルフ場運営会社:大峰高原開発(株)<月夜野カントリークラブ、みなかみ町出資の第3セクター>への貸付金37億円のほか、過去の販売用不動産が大きく不良資産化していた。
こうしたなか、佐田建設が平成16年に「私的整理に関するガイドライン」による経営再建を発表。この一環としてそれぞれ特別清算を視野に入れ事業を停止し、これまで順次、債務整理を進めていた。しかし債権者との調整が不成立に終わったため、破産に切り替えたものとみられる。
(株)三洋スカイリゾート(守口市京阪本通2−5−5、設立平成2年3月、資本金5000万円、駒宮淳史社長、従業員35名)は3月14日、大阪地裁へ民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は浜岡峰也弁護士(大阪市北区西天満2−8−5、電話06−6364−7636)ほか。監督委員には苗村博子弁護士(大阪市北区西天満2−6−8、電話06−4709−1170)が選任されている。負債は約116億6800満円。
同社は家電大手の三洋電機(株)が事業多角化の一環として、自社扱いのスポーツ・ゴルフ関連用品の供給、社内人材の活用を目的に、三洋電機が70%を出資し残る30%を三洋セールスアンドマーケティング(株)と鳥取三洋電機(株)が出資して設立された。その後、平成11年4月に「サンフォレストゴルフクラブ」(岡山県真庭市、18ホール、パー72、6461ヤード、192万平方メートル、丘陵コース)をオープンした。
しかし、開業当初より計画通りの集客が得られず、近年は来場者の減少、客単価の下落などから業績はさらに低下、平成18年3月期は年商1億7000万円にとどまり、1億2300万円の赤字を計上、この間、運転資金の大半をグループ資金調達会社の利用で繋いできたが借入は増加の一途を辿っていた。
さらに、来る平成23年より預託金償還が始まり更なる追加資金が必要となるものの、親会社の三洋電機(株)が経営不振に陥っている状況から追加支援は極めて難しく、現状での自力再建は困難と判断し民事再生法によるゴルフ場の継続を選択した。
なお、今後も「サンフォレストゴルフクラブ」の営業は平常通り継続する。また、再生計画案の立案にあたっては、(株)日本エスコン(JASDAQ、東京都千代田区)または日本エスコンの子会社へゴルフ事業を譲渡することで基本合意、事業譲渡後に同社は清算する予定である。
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