突然の事業停止 責任者不在の残務整理
三連休前の11月1日。派遣スタッフへの給与未払い、事業停止の情報がもたらされた派遣会社に向かった。同社はSNSを活用した広告を展開し、事業が拡大していた会社だった。
駅近くにある本社に着き、会社の入るフロアを見上げると明かりが灯っている。電話は不通だが、社内には誰かいるようだ。ビルの入口前で偶然、通りかかった従業員に話を聞くことができた。取材の意図を伝えるとミーティングルームに通され、話を聞くことができた。
その従業員は、「事業停止は事実だ。我々、従業員は昨日と今日、会社から事業停止をいきなり告げられた。弁護士が入っているかはわからない」と淡々と話した。「いま、自分が会社とどのような雇用関係にあるのかわからないし、給与の未払いもある。
従業員は残務処理にあたっているが、自分は担当しているスタッフへの状況説明や派遣先へスタッフの直接雇用への打診、他の派遣会社への転籍を促し、影響が少なくなるように対応している」と丁寧に説明した。
続けて「社長は出勤していない。ということは逃げたということだろうか。いきなりこんなことになるとは思わなかった。事態が落ち着いたら自分も転職活動しないといけない」と苦しい胸中を語った。
別の従業員はTSRの電話取材に、「いきなり会社から営業停止を告げれた。今日は自主的に出勤し、対応に追われている。給料は発生しないと思う。本社では会社が破産を申請したという話しもあり、社員間で情報が錯綜している」と困惑しながら取材に応じた。
法的整理の情報もあるが、経営幹部と接触できず、詳細は不明だ。従業員や取引先が、困惑するなか、経営幹部は責任ある対応が求められている。