損益分岐点

管理会計上における概念のひとつで、売上高と費用が等しくなる売上高(損益分岐点売上高)、販売数量(損益分岐点販売量)のことです。
break-even pointの略でBEPとも呼ばれています。

計算式

利益=売上高-変動費-固定費=売上高-(変動費率×売上高)-固定費
※変動費率=変動費÷売上高=売上高×(1-変動費率)-固定費

★損益分岐点売上高は、利益=ゼロであることから
0=売上高×(1-変動比率)-固定費
売上高=固定費÷(1-変動比率)

★以上より
損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)

【参考】限界利益=売上高-変動費、限界利益率=限界利益÷売上高

損益分岐点の特徴

損益分岐点売上高とは、利益=ゼロとなる売上高であり、売上高が損益分岐点を上回れば利益が生じ、下回れば損失が生じるという特徴があります。一般的には、主に短期利益計画を策定するのに利用されているCVP(Cost,Volume,Profit)分析と絡めて説明されることが多くなっています。通常、財務諸表上においては変動費、固定費の区分はされていませんが、この分析においてはコストを変動費(業務活動費用)と固定費(キャパシティーコスト)に分けることが分析を正確なものとするため有効であり、区分する方法としては費目別精査法、高低点法などがあります。

TSRの視点

損益分岐点分析は自社の利益や原価などを管理するために極めて重要な分析ツールとなりますが、企業にとってはいかにこの損益分岐点を下げられるかが経営上重要であり一般的な方法としては、売上単価の上昇、変動比率の低下、固定費の低下があげられます。自社の分析ツールとしても有効ですが、同業他社の分析としての利用法も最終的には自社の利益・原価管理を算定する上での参考資料となります。
また、与信管理のツールとしても販売先の売上高が損益分岐点売上高を大幅に下回っている場合などは厳しい事業環境になっている可能性もあるため十分な注意が必要といえます。

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